近年、特に中小企業における後継者不在問題が顕在化している一方で、後継者がいる場合は、同族承継を選択される企業オーナーが多い印象であった。
ところが、直近、その動向に変化が生じているようだ。
以下のグラフは、代表者の就任経緯別の割合推移だ。
就任経緯別 推移

出所:帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2022)」
同族承継が割合としては依然一番高いものの、徐々に低下してきており、2022年には一気に前年比4.7ptの低下となった。
一方、内部昇格やM&A等を活用するケースの割合は増加している。
弊社は日々、全国の企業オーナー様と情報交換させて頂いているが、最近ではご子息やご令嬢がいらっしゃる場合でも、M&Aでの事業承継という判断をされるケースも多いように感じており、このデータはその傾向を裏付けるものとなっている。
現在では、産業ライフサイクルの早まり、ビジネスの競争環境の激化、人材の流動性の高まり等、同族承継の難易度が高まっているということもその背景の一つなのだろう。
もちろん、早め早めにサクセッションプランを立案・実行し、スムーズにオーナーのご子息やご令嬢に事業を引き継がれている企業も多く存在している。
自社の状況を見極め、様々な選択肢を検討していくことが大事なのだと思う。