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M&Aの目的(譲受サイド)

執筆者の写真: ジャーニーズ 石田拓也ジャーニーズ 石田拓也

更新日:2023年9月22日

 従来はM&Aを活用せず自社のみで成長を目指すいわゆるオーガニックグロース戦略を取る企業が大半であったが、現在においては、M&Aを戦略的に活用するインオーガニックグロース戦略を取る企業も増えてきた。

 M&Aの目的としては、以下のようなものが一般的だろう。


1. 新規事業の開拓・成長戦略としてのM&A  新たなビジネスチャンスを早期に獲得することを目的としたM&A。一昔前までは、新規事業といえば、自社で0から立ち上げるケースが多かったが、産業のライフサイクルの回転が速い現在においては、M&Aを戦略的に活用するケースが増えている。 2. 事業規模の拡大(スケールメリット)のためのM&A  事業規模を拡大してスケールメリットを得ることを目的としたM&A。新規取引先の獲得、仕入、採用、投資等、競合よりも優位に事業を運営していくために、より盤石な事業基盤を構築することは有効な戦略の一つとなる。

 また、仕入、物流、IT等、事業規模が拡大することで、合理化による利益向上施策も検討しやすくなる。

3. ノウハウやブランドの吸収  M&Aによって自社にはない資源を獲得することを目的としたM&A。長年の研究開発が必要なる分野や長年の業歴で確立したブランド等、自社で獲得するには相当の時間を必要とする場合にM&Aが活用されるケースがある。

4. 人材の確保  採用難が続く現在においては、人材不足をM&Aで解決しようとする動きも見受けられる。

5. 競争相手を減らす  競合を買収していくことで競争相手を減らしていく戦略にM&Aが活用されることもある。ただし、独占禁止法等、事前に確認を要するルールも存在する。


6. その他  その他にも、海外進出や事業ポートフォリオの分散によるリスク標準化等、様々な目的でM&Aは活用される

 
 

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